エッセイ

会社の自分とプライベートの自分:同じ人?

早稲田ビジネススクールでの対話から考える、「会社での自分」と「普段の自分」のギャップと、自分らしく役割を果たすこと。

記事一覧に戻る
首藤瑞未(トランセンド日本校責任者)2026年5月18日6分
背中合わせの二つの姿、仕事の自分と私の自分

4月に早稲田ビジネススクールで、
「21世紀の新しいリーダーシップとコーチング」というテーマでお話をさせていただきました。

イベント後の食事会では、MBA生の皆さんと様々な対話をする機会がありました。とても楽しい時間でした。

その中で、とても印象に残っている会話が幾つかあります。

「会社での自分」と「普段の自分」にギャップがある。
そして、そのギャップを少しでも縮められたら良いと思う、という話です。

特に、部下の前で“本当の自分”を見せることは、必ずしも良いことではない。
だからこそ、会社では違う自分を演じている感覚がある、と。

皆さんはどうでしょうか。

会社以外でも、場面によって「別の自分」を作り出すことはありますか?

私たちは、一人の人間でありながら、社会の中で様々な役割を生きています。

ある時はリーダー。
ある時は部下。
ある時は教育者。
またある時は学ぶ側。

社会は複雑で、私たちはその中で適応しながら生きています。
自分を守るために。
うまく生存するために。

実は、この会話の少し前に、

「コーチングを通じて何を学んだか」という話題がありました。

私と佐藤先生の振り返りは以下でした。

“自分自身との関係性が変わった”

コーチングを通じて自己理解が深まると、自分に対する見方が変わっていきます。

必要以上に自分を責めなくなる。
反対に、必要以上に特別視もしなくなる。

できる部分も、まだ可能性でしかない部分も、
両方を含めて自分を認識できるようになる。

だからこそ、自分を信頼できるようになるのです。

そしてその感覚が、新しい「自信」へと繋がっていきます。

では、「会社の自分」と「普段の自分」にギャップがある人は、自信がないのでしょうか。

私は、そう単純な話ではないと思っています。

役割によって、振る舞いや表現を調整することは必要です。
それ自体は自然なことです。

ただ、本当の自分を理解し、見失わないこと。

そこが大切なのだと思います。

自分ではない誰かを演じるのではなく、
どんな状況でも「自分らしく」役割を果たす。

それができるようになると、人はブレなくなります。

そして何より、
「他人からどう思われるか」に支配されにくくなります。

もちろん、人からどう見られるかを全く気にしないという意味ではありません。

ただ、それは完全にはコントロールできないものです。

だからこそ、
コントロールできないものにエネルギーを使うより、

「自分がどう在りたいか」

に意識を向ける方が、ずっと健全なのです。

以前書いた、
「時間をコントロールしようとすると苦しくなる」
という話に少し似ています。

コントロールできないものを管理しようとすると、
疲労は増え、満足度は下がります。

だからこそ、自分と向き合い、
自分自身との関係性を整えていくことはとても重要です。

それができるようになると、
他者との関係性の見方も変わっていきます。

そして最終的には、

“生存するために頑張る”

必要がなくなっていくのです。

なぜなら、

「頑張り続けなくても、自分はここにいていい」

という感覚が生まれるからです。

KPIも、成績表も、学歴も、役職も。

それらは全て、ただのツールです。

貴方自身を定義するものではありません。

貴方という存在は、
そんな小さな指標だけで表現できるものではないのです。

そして、私たちは本来、
「生存するため」に頑張っているわけではありません。

では、

私たちは何のために頑張っているのでしょうか。

自分らしく生きるとは、
本当はどういうことなのでしょうか。


コーチングを通して、自分の人間力を高め、人の可能性を引き出す力を育てたい方へ。
まずは対話から始めてみませんか。
お問い合わせ:tamamis@transcend-intl.com

#エッセイ#自己認識#アイデンティティ